風のガーデン 第十話 喜怒哀楽

「喜怒哀楽は別々に存在するものではなく、一つになって一緒にあるもの」
ドラマ「風のガーデン」の脚本家 倉本聡の哲学だそう。
この言葉を象徴するような感動的な、台詞のない場面があった。
癌の進行が進む貞美(中井貴一)の病状は、父の貞三(拳さん)、娘のルイ(黒木メイサ)も知ることとなった。ずっと絶縁していたことを後悔した父として、息子の最後の夢をかなえてあげるために、一芝居うち、ルイの嘘の結婚式をしたて、バージンロードを一緒に歩きたいという貞美の夢をかなえてあげようとする。そのあとで、最期の時間を自分の生家で過ごさせてあげようと、貞美を誘う父の貞三。
しかし、貞美を天使と思っている息子のガクに、貞美の最期を見せるわけにはいかないと判断した貞三は、ガクを一時、親戚のファームへ預けることにし、貞美には、天使としてガクとうまくさよならをしてほしいとお願いをする。
貞美が最期にガクを訪ねてガーデンにやってくる。ガクは、親戚の家に行かなくてはならなくて不機嫌だった。そこへ、天使である貞美からも天国へ戻らなくてはならないと告げられ、混乱から発作らしき症状をおこす。自分を父とも理解できない息子を抱き締めて落ち着かせる貞美。頬を涙がつたう。
落ち着いたガクに貞美がお願いをする。お母さんが好きだったピアノ曲「乙女の祈り」をもう一度弾いてほしいと。
ガーデンハウスから聞こえる、ガクが奏でる「乙女の祈り」を聴きながら、ガーデンに座りこんでいる貞美。
そこへ、ルイと親戚がガクを迎えにくる。ガーデンの貞美を呼ぶガク。しかし、返事はなく、ガーデンには誰もいない。
テレビ画面からは、「乙女の祈り」が穏やかに流れ続けている。親戚が運転する車にのる助手席のルイと後部座席のガク。車の窓から外を見つめるガク。
(あ~、このまま父子は永遠に別れるのか。。。と、すでにぐっときている私)
その時、ルイが指差した向こう側には。。。
ガーデンの土手に腰掛けて去ってゆく車にむかっておどけた身振りと表情でさよならをする貞美の姿。その身振りを真似るガク。それを複雑な思いで見つめるルイ。
この場面は、「乙女の祈り」をBGMに、怒りの感情を除く、喜・哀・楽の感情が一つになって一緒にある。そう感じられて、台詞がないのに、すごいなぁと感動してしまった。
来週が最終回。
拳さん演じる貞三さんとも最期。亡くなった母方のお爺ちゃんと同じ名前の貞三さんとももうお別れと思うととても淋しい。

この記事へのコメント
台詞にない演技難しいですよね。
拳さん言ってましたよ。
演技は演じようとしてはいけないとか。
最後のドラマ「風のガーデン」では
自然体ですよね。
喜怒哀楽が一緒にある演技。。。
難しそう~(∋_∈)
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宜しかったら参加してねぇ(^_-)-☆
緒方拳の痩せたからだが痛々しかったのかもしれません。
あの別れの場面は良かったですね。
とらお&ちゃたろう君は仲良しね・・(=^・^=)
おひさです。
最近調子はどうですか?
裁判とかも。
元気出して頑張って下さいまし。
((-ω-(('ω'〃)ペコチョ
お返事がとっても遅くなってごめんなさいm(__)m
それに、ハルさんとこにも行けてないやん(泣)ごめんよ~m(__)m
ドラマ、終っちゃいましたね。中井貴一の最期の演技とラストシーンは秀逸でしたね。篤姫の最後は編集がダレたかな。。。と。すでに最終回がダイジェストになっていたような感じがして。
お返事がとっても遅くなってしまって、ごめんなさいm(__)m
とらおとちゃたろうは、めっきり冷え込むようになってからは毎日、朝起きると私の布団→ごはん→ひとあばれ→二人でクッション、ねこだんご。毎日のほとんどを寝て過ごしてます。
二人を見ていると私も猫族になってしまいそうです(^_^;)
ドラマ、スタッフは隙を見せることなく、完璧な仕事をしていましたね。意味の無いアップやセリフを省き、文字通り、富良野の自然の中で、自然体の登場人物たちでしたね。今でも富良野には彼らが生活して存在しているかのようでした。
またひとつ、良いドラマを見せていただいたなぁ、と。
お返事がとっても遅くなってしまって、ごめんなさいm(__)m
あまり詳しく書けないのだけど、ブログが止まり勝ちです(^_^;) 個人の状況をさらけ出しすぎると、不利なこともあって(笑) ←笑うしかないです。自分のブログなのにね。不特定多数の目に触れるのは時として怖いこともありますね。
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