群ようこさん著 「ビーの話」 ~その2

とらおです今日はあるじに代わって僕が群ようこさんのエッセーから、公園の猫とランチするタクシーのおじさんのお話をするね。


群ようこさん著「ビーの話」





群ようこさん著「ビーの話」
116ページ~119

以下の引用文の全ての著作権は、著者に帰属します。


ある運転手さんは、多少、時間がずれても、昼食を必ず決まった公園で食べることにしているのだといっていた。いつものように彼は、コンビニで弁当を買い、公園のベンチに座っていた。時間が少しはずれていたので、いつもいるOLたちの姿もなかった。スポーツ新聞を見ながら弁当を開き、食べようとすると、誰かに見られているような気がする。ふと目を上げると、きちんとお座りした猫がいたのである。昔は白だったかもしれないが、今はグレーになってしまっている。


「生まれたときから、のらです」


という雰囲気を漂わせてはいるが、ちんまりと座っていて、がさついたところはない。
彼は、


「どうした?欲しいのか?」


と声をかけてみた。するとその猫は、


「にゃあ」


と鳴いて、するするっと近寄り、足元に座りなおして、じっと彼の顔を見上げている。ここまでされては無視できない。彼はコンビニの弁当のなかから、猫が食べられそうな、鮭を焼いたのと、鶏の唐揚げを分けてやった。猫は美味しそうにぺろりと食べ、口の周りをぺろぺろなめている。遠慮がちに、


「いただけませんか」


というような素振りはみせるが、


「くれえっ」


というような図々しさはみじんもなかった。


運転手さんはそれは、たまたまのことだと思っていた。ところがそれからその公園に行くと、その猫が待っているようになったのだ。遠くから彼の姿が見えると、ものすごい勢いで走ってくる。それも最初は近寄らず、少し離れたところでお座りしている。彼が声をかけると、はじめて寄ってくるのだった。そんな猫に、彼はずっと自分の弁当を分けてやっていた。

ある日、公園に行くと、いつものように猫が待っていたが、隣にもう一匹、別の猫の姿があった。白と黒のぶちである。二匹は友だちらしく、つかず離れずに歩いている。グレーが座ると、ぶちも座るのだが、必ずグレーの半歩後ろにいる。


「おいで」


と声をかけて、近寄ってきたときも、初対面ということをわきまえているのか、どんなときもグレーの半歩後ろを歩くのだ。

猫が二匹になると、自分の弁当を分けるわけにはいかなくなってきた。どうしたって量が足りない。それから彼は、コンビニで弁当を二個買って公園に行き、昼を猫と過ごしているのだというのだ。


「いつも二つ買うんですか」


とびっくりしてたずねたら、


「そうなんですよ。自分でも何か、ばかみたいだなって思うんですけどね」


そういって彼は笑った。自分は焼き肉弁当でも何でも買うのだが、猫のためにメインが魚のおかずになっている弁当を選んだり、たまに、猫への特別サービスで鶏の唐揚げを買ったりする。最近ではコンビニでもキャットフードの缶詰めを売っているので、それを買ったりするのだといっていた。


「それがね、このごろカラスに弁当を狙われちゃっててね」


彼はぐぐぐっと笑った。公園にはカラスもたくさんいる。彼らはものすごく目ざといから、食べ物を目にすると、素早く寄ってくる。彼は帰ろうとすると、邪魔者がいなくなると思うのか、カラスの行動が大胆になるというのだ。猫のすぐそばまで近寄ってきて、周囲をぴょんぴょんはね回る。もちろん猫たちは気が気じゃない。食べるのと、


「シャーシャー」


と歯をむいて威嚇するのとで、パニックになる。


「見てるとね、カラスはからかっているみたいなんですよ。そばまで寄ってきて、ひょいっと離れたりね。それなのに猫たちは必死になっているんですよ。『がんばらないと取られるぞ』って声をかけたりするんですけどね。カラスっていうのは、あれは頭がいいですねえ。猫なんか、本当に軽くあしらわれちゃって、漫画みたいですよ」


彼は笑った。


「女房に小遣いを上げてもらって、猫のために弁当を買っているなんてばれたら怒られちゃうけどね。でもね、猫がね、かわいいんですよ。のらだからっていったって、図々しいところなんかないんですよ。じーっとおとなしく、やるまで待っているんですから。友だち同士でもあとから来たのが、最初のに遠慮したりしてねえ。きちんとしたもんです」


神経を使う運転のなかで、猫に御飯をやるときが、彼の心が安らぐときなのだろう。





このエッセーの主人公、ビーちゃんもそうだけど、ちゃたろうもカラスに弱いの。怖いもの。黒くて大きくと。バサバサって。くちばしもとがって太いの。


僕は、どうどうと威嚇するけどね







       今日の僕たち       



つっぷすとらお

は、今の僕



5ヶ月だった頃の僕




は、5ヶ月だった頃の僕。

夜中にあるじの仕事を見守っていたつもりが・・・

こんな姿で眠ってたの・・・




あ・・・あの時は、眠かったから・・・僕も子供だったし・・・
だから、前のめりで眠っちゃったんだよ・・・




ぬいぐるみ抱っこ


ちゃたろうは癒し系だなぁ~





                           


群ようこさん著 「ビーの話」 ~その1


群ようこさん著 「トラちゃん」


                           



ビーの話

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この記事へのコメント

2007年07月06日 17:31
ビーの話、又、読み返している所です^^
公園の、このノラちゃんは、良いですねぇ。「いただけませんか」の素振とか、半歩後ろをなんて、しおらしくて・・・
ウチではもう、「早くくれぇーっ」ですよ^^;
早く食べて相棒の分も横取りしようとしてます。
しおらしさなんて保護して直ぐに捨ててしまったようですT_T
運転手さんと公園のネコに幸あれです。

とらおくーん、息できてますかーo(≧∇≦)o
コレですね!
ホントだ、フグより凄いことになってますね
5ヶ月の頃も、今も変わらない寝姿なんて・・・≧(´▽`)≦アハハハ
可愛くて益々好きよー
ちゃたろう君の枕は・・・象さん?

2007年07月07日 13:44
そうなんですよね。ノラちゃんって、謙虚なんです。ゴミ置き場をあさるガツガツしたやつっていうイメージとは全然違うんですよね。
「おいしそうですね。少しいただけますか?」と目が言っている。
家の中のネコの方が、「早くご飯にしてぇ」とうるさいくらいですよね。

優しいお話にはほっとしますね。

とら母さん、今日は七夕、何か願い事はありませんか。
では、私がこの場を借りて、「とら母さんがとらお&ちゃたろう君と一緒に元気でいられますように」と・・(=^・^=)
2007年07月07日 16:53
☆ふぐにゃんさん

こんにちは~(^^)

そうでーす。象さん枕は、ちゃたろうです~(^o^)最近この象さんを枕か抱っこして眠っているんです~「おぉ~かわええなぁ~」ってついまた同じ写真を撮ることになっちゃうんですけどね。。。

とらおのつっぷし寝姿はもっと激しいのがあったんですけど、これ、ちゃぶ台(のようなもの)なんですよ。それで、とらおの周囲にお見せ出来ないものがたくさん映り込んじゃって。記念にはなるんですけど、載せられないなぁ・・・と地味なのにしました。よくこの姿勢で寝てます。ジーちゃん猫になった時には、窒息するんじゃないかと心配になります(^-^;
2007年07月07日 17:00
☆ノアさん

こんにちは~(^^)
七夕ですね♪星に願いをありがとう~(^o^)/
そうですよねぇ。にゃんこたちも私もみな元気で一緒に長生き!そうですねぇ・・・とらおたちにはあと20年は頑張ってもらおうかな♪
入谷の朝顔市にいって願いをかける朝顔を求めてくる予定だったのですが、予定変更して、経堂へお灸治療へ出かけました。明日、行けたら行って来ようと思います~(^^)湿度と人ごみで体力が奪われないように気をつけつつ・・・

「ビーの話」の中では、何度かタクシーのおじさんの話が出てくるんですけど、なんだかほんわかして好きなんです(#^.^#)前回のパンク系のお兄ちゃんノラの子猫に御飯をあげて「うまいか?」。すると「にゃご」と答えるにゃんこたち。の話も好きなんですよ (^。^)

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